こんにちは、L&Cの田村です。
傾聴の実践・普及を通じて「私が私らしくいて、あなたらしさを認めている、相互承認の社会づくり」を目指します。
4月。子どもが新しい園やクラスでがんばっている姿を見て、ほっとしたり、心配になったり…
親にとっても、知らず知らずのうちに大きな環境の変化が訪れています。
そんなとき、ふと「なんだかしんどいな…」と感じることはありませんか?
それは、あなたの心からのサインかもしれません。
■「聴いてほしい」のは、子どもだけじゃない。自分の気持ちにも耳を澄ませて
「今日は泣かずに登園できた!」
「でもそのあとの仕事では失敗続きでヘトヘト…」
そんなふうに、日々いろんな気持ちが入り混じるのが子育て期。
でも、忙しい毎日で自分の本当の気持ちをゆっくり感じる時間は、なかなか取れないものです。
そんなときこそ、フォーカシングという方法を使って、自分の“こころの奥”にある声に、そっと耳を傾けてみませんか?
■ フォーカシングって?
フォーカシングとは、「言葉にならない、身体に感じている“もやもや”に注意を向ける」心の対話の方法です。
たとえば――
- 「なんだか胸がぎゅっとする感じがする」
- 「お腹のあたりがザワザワして落ち着かない」
- 「背中が重く感じる…」
それはまだ言葉になっていない、あなたの本当の気持ちの“入口”かもしれません。
■ フォーカシング:自分の“こころの声”にやさしく耳を傾ける5つのステップ
1. 静かに座って、深呼吸をしてみる
家事の合間や、子どもが寝たあとなど、1人になれる短い時間でOKです。
椅子に座って、背筋を軽く伸ばし、目を閉じても、開いたままでも大丈夫。
「いま、自分の中にどんな感じがあるかな?」と、そっと自分に聞いてみましょう。
2. 体の中に“何か気になる感じ”があるか探してみる
胸のあたり、お腹のあたり、肩、背中…
なんとなく重たい感じ、ギュッとした感じ、モヤモヤする感じなど、
どこかに“気になるところ”がないか、注意を向けてみます。
それははっきりした感情じゃなくてもかまいません。
「うまく言えないけど、ここに何かあるな…」という感じでもOK。
3. その感じに、ぴったりくる言葉やイメージをつけてみる
「これは“つかれ”かな?」「“さみしい”かも」「“やることが多すぎる”感じ」
言葉じゃなくても、「重たい石」「ざわざわした風」みたいなイメージでもOK。
ピッタリくる言葉や表現が見つかったとき、体が少しホッとする感じがあるかもしれません。
4. その“感じ”としばらく一緒にいてあげる
見つけた“感じ”を、変えようとせず、ジャッジせずに、
「そう感じてるんだね」「そこにいていいよ」と、やさしく見守ります。
まるで、心の奥にいる自分の小さな子どもを、抱きしめてあげるように。
5. 最後に「ありがとう」と言って、現実の世界に戻る
その“感じ”が少し和らいでも、変わらなくても大丈夫。
「聴いてあげられてよかった」と自分に声をかけて、ゆっくり深呼吸。
目を開けて、今この場所に戻ってきましょう。
■ 子どもにやさしくするために、自分にやさしく
フォーカシングは、何かを解決するための手段ではなく、
「今の自分」にやさしく気づいてあげるための方法です。
自分自身が満たされることで、子どもの小さな声にも、もっとやさしく気づけるようになります。
今日、たった3分でもかまいません。
あなたの胸のあたり、お腹の奥に、そっと意識を向けてみてください。
その“感じ”に気づくだけで、少し肩の力が抜けてくるかもしれません。
「聴くことは、他人だけでなく、自分へのやさしさの第一歩。」
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